このカテゴリでは、「文学・小説」について扱います。
文学・小説全般
この「文学・小説全般」カテゴリは、文学や小説一般に関わる文章を収録するのに加えて、他のところに入らなかった、「その他」的な文章も、配置されることになるはずです。
夏目漱石を読む
とりあえず、カテゴリとして用意してみたのが、日本近代文学を代表すると目される「夏目漱石」です。私の夏目漱石の読み方は、知識人における「知と愛」の対立から「市民社会「という」戦争」へというものです。
この移行により、夏目漱石の描出は、そこにおいて特権的に近代が生きられている「知識人」を対象とするものから、あらゆる人がそこに投げ込まれている「近代社会」そのものを対象するものへと拡大されます。
この「夏目漱石」カテゴリでは、各作品を読み直しつつ、以上の読み方の妥当性を検証し、それがもっともらしいものであれば、それを展開していきたいと思っています。
ミシェル・ウェルベックを読む
次に、こちらも、さしあたりという形でカテゴリとして用意してみたのが、フランスの現代文学を代表する「ミシェル・ウェルベック」です。
彼の場合、近代風の「知と愛」の対立がもはや牧歌的なものに見えてきます。その基本テーマは、「知と愛」の対立ではなく、いわば「性と愛」の対立であり、愛の基礎にある性の自立化が、愛の基盤を掘り崩し、いわば「愛」なるものが自己崩壊する過程です。
このことが、彼をして、ある種のSF的想像力によって、「セクシュアリティの彼方」の領域の輪郭を描く作業へと駆り立てていきますが、この「ウェルベック」カテゴリでは、まずここまでの論理をそれとして整理してみたいと思います。