第0章 英文法の地図

英文法の地図

 以上が、英文法の全体像を一枚に収めた、「英文法の地図」です。本サイトでは、この図を絶えず参照しながら話を進めます。

 「英文法の地図」から鮮明なPDFでダウンロードできますので、印刷するなどして、この地図を常に片手にしながら学習を進めてください。

 さて、この図に沿って、まずは本サイトが語る英文法の内容を概観していきましょう。

 いまはまだ分からない用語も多いかと思いますが、そういうところは「そういうもんか」と読み飛ばしておいてください。本サイトを順に読んでいけば、問題なく理解できるはずです。

第1部 英文法、はじまりの大地-品詞・文型・動詞

 本サイトの第1部「英文法、はじまりの大地-品詞・文型・動詞」は、まずは地図の上3分の1、つまり、文の主要要素・品詞・文型を取り扱います。ここは英文の一番基礎的な構造を明らかにする部分となります。

 そこでは、文型の理論とその意義、そして、文型を作り出す文の主要要素(S・V・O・C + M)と品詞との対応関係を理解・暗記することが決定的に重要 になります。

 非常に重厚で、英語全体に対して決定的な内容を有するため、まさに「はじまりの大地」という名にふさわしい場所です。

第2部 Vの形にまつわる、さまざまな小島

 続いて第2部「Vの形にまつわる、さまざまな小島」は、地図の一番上段のVの上に出ている吹き出しを扱います。英語では、Vの形を変えたり、Vにいろいろなものを付け足したりすることで、さまざまな表現を可能にしています。それが具体的には「時制・助動詞・仮定法・受動態」です。

 ここはただ単にVの形がいろいろと変わる(ことにより、さまざまな意味が表現される)というだけの話なので、覚えることは少しばかり多いとしても、理屈としてはさほど難しくありません。それぞれの攻略は容易なため、「小島」と呼んでもいいでしょう。ちゃっちゃっと旅していきましょう。

第3部 英文を複雑(=豊か)にしている、迷いの森-句と節

 次の第3部「英文を複雑(=豊か)にしている、迷いの森-句と節」では、地図の下3分の2に移り、英文を複雑にしている張本人たちを取り調べていきます。

 第1部で「文型を作る文の要素(S・V・O・C + M)と品詞との対応関係」を学びますが、それだけなら話は簡単に見えます。

 ただ、英文が複雑(より正確には「重層的」)になっていくのは、ある意味で「名詞(形容詞・副詞…)になれるのは名詞(形容詞・副詞…)だけではない」からです。

 英語では、2語以上のまとまりである「句や節」が一つの品詞、つまり、名詞や形容詞や副詞として働き、SやVやOやCやMとなることがあります。

 このことの結果として、SやVやOやCやMがそれぞれ長く、かつ文構造を中に含んだものになり、文がどんどん「重層的」に、つまり、「文の中に文がある」という「入れ子構造」なってしまうことがあるのです。

 第3部では、これを「名詞句・節」、「形容詞句・節」、「副詞句・節」の順番で探検していきます。英文を重層的にし、人を惑わす、これらの文法事項は、いわば深い「迷いの森」といってもいいでしょう。

第4部 紛らわしい奴らを、見分けろ!-識別の諸問題

 続く、第4部「紛らわしい奴らを、見分けろ!-識別の諸問題」では、「識別」の問題を取り扱います。第3部の「迷いの森」の部分の地図を見れば分かる通り、英語では同じ形のものが全く別の働きをする、つまり、全く別の意味をもつことがあります

 そこにそれらを適切に見分ける必要が生まれてきます。それが正しい意味理解の基礎となるのです。「紛らわしい奴らを見分けろ!」、これをキーワードに、一連の紛らわしい語の識別の問題を取り扱っておきましょう。

第5部 文型の構造を破壊する侵略者-倒置・挿入・強調・省略

 次の第5部「文型の構造を破壊する侵略者-倒置・挿入・強調・省略」では、文型の理論に対する例外を取り扱います。

 英語の構造は、5文型を中心として、非常に一貫しており、かつ堅固なものです。ただ、だからこそ、それに対する例外、その構造を破壊するもの、いわば、構造を犯す侵略者たちも際立ってきます

 そのようなものとして、ここでは、文法書でよく「特殊構文」として扱われる、倒置・挿入・強調・省略を見ていきます。

 最後、第23章で、英文解釈の中ではほとんどラスボスに近い感のあるthatの識別の問題を取り扱い、本テキストを終わりにします。今までに学んだ知識を総動員することが必要な、総まとめ的な章となります。

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第0章 英文法の地図
★第1部 英文法、はじまりの大地-品詞・文型・動詞

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